2019年5月6日月曜日

標準報酬月額を改定しなければならないとき



通常の標準報酬月額は、毎年1回、算定基礎届を提出して定時決定いたします。


しかし、報酬の金額が大幅に変更になった場合、そのままにしておけば次の算定まで見合わない金額の社会保険料を引くことになります。


この記事では、報酬の金額が変更になった時に、標準報酬月額を改定するにはどのような届出をすればいいかを簡単にご説明いたします。


標準報酬月額改定の概要


標準報酬月額が定時決定した後に、昇給や降格により報酬が大幅に変更があった場合で、以下の要件に該当するのであれば事業主が速やかに手続きを行います。

このことを標準報酬月額の「随時改定」といいます。




随時改定の要件


1. 固定的賃金に変動があったとき


2. 標準報酬月額が改定前と※改定後で2等級以上の差が生じるとき

※  改定後の標準報酬月額は、変動後の固定的賃金が支払われた月から引き続く3ヶ月分の平均額に基づき算出します。


3. 固定的賃金が変動した日から引き続く3ヶ月のすべての月の報酬の支払いの基礎となる日数が※毎月17日以上であること。

※  ただし短時間労働者(正社員の4分の3未満)および特定適用事業所(常時501人以上の労働者がいる事業所)は毎月11日以上で適用となります。




随時改定の要件に該当しない場合


1 固定的賃金は上がったが改定後の標準報酬月額が改定前より下がり、2等級以上差がある場合


2 固定的賃金は下がったが改定後の標準報酬月額が改定前より上がり、2等級以上差がある場合

随時改定の要件に該当しない場合は、届出の提出は不要になります。


提出する届出用紙


届出は「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届」に該当者のみを記入します。
引用元:日本年金機構HP



記入例はこちら➡「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届 記入例」
引用元:日本年金機構HP


添付書類の有無は、大幅な報酬の変動や届出が改定してから60日以上遅れた場合にのみ賃金台帳や出勤簿の写しが必要になりますが、それ以外は原則として必要ありません。


提出先 


月額変更届の提出先は、日本年金機構の事務センター(都道府県ごとにあります)または管轄の年金事務所に提出します。


まとめ


随時改定の手続きを怠ると、社会保険料が見合わない金額のまま控除されることになってしまいます。

そのため、固定的賃金が変動してから3カ月がたち、改定要件に該当するようでしたら速やかに月額変更届を提出しましょう。




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